クラブユース選手権 vs スポーツクラブ岐阜VAMOS @Jヴィレッジ Pitch5

夏の全国、第25回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会。今年も津守U-15がタイトルを目指してJヴィレッジで戦う。大会初日はU-18エースストライカー候補*1、ケンジの出身クラブでもあるスポーツクラブ岐阜VAMOS。大事な初戦、そしてセレッソの育成カテゴリーにとっては昨年の西U-15のリベンジマッチとも位置付けられる一戦。グループリーグ突破に向けて、幸先の良いスタートを切りたい。


セレッソ大阪U-15 (2010クラ選 vs 岐阜VAMOS) のフォーメーション

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津守U-15の10番、ヨンスは韓国代表キャンプ招集のため不在。チームとしては痛いかもしれないが、変わって出場する選手がこのチャンスを得られれば、そしてヨンス自身も代表キャンプで大きく成長できればこれ以上喜ばしいことはない。

序盤はVAMOSペース。高い位置からのプレスで主導権を奪われると、ショートカウンターから何度かピンチに晒される。しかし2年生GK齋藤和希とキャプテン瀧田裕馬を中心としたDF陣が踏ん張って劣勢を凌ぐ。そして、攻撃時には最終ラインからのビルドアップに拘らず、最終ラインからスペースへのロングボールを織り交ぜることで次第に五分の状態へと持ち込んでいく。

VAMOS攻撃陣は、中盤でセカンドボールを収めた後のアクションの速さが特徴的だった。前線4枚にバイタルエリアへと侵入されると、セレッソDF陣にとっては緊張感の高い時間帯が続く。個の強さで局面では対応できてはいたが、ひとつ交わされると決定的な場面を与えかねないというギリギリの攻防となっていた。特にトップ下の8番の選手は状況判断と配球のセンスが良く、彼を経由しての攻撃は敵ながら見応えのあるものだった。

対するセレッソも、攻撃面では決して負けてはいない。両ワイドの木下準と森定大樹がスペースへと飛び出し、右SBの金田元気も積極的なオーバーラップから攻撃へと関わっていくことでリズムをつかみ始める。森定と金田が絡んで右サイド深くを崩して折り返したクロスに、ファーで準が合わせるという決定的な場面もあったが、相手GKのゴールポストとの衝突をも恐れないファインセーブでゴール外へと弾きだされてしまった。

試合が動いたのは前半23分。岩井拓地→亀井脩平と繋いで左のスペースへと展開したボールに対して、カウンター気味に大津耀誠が飛び出す。すると、ペナエリア内左のほとんど角度の無い位置から右足アウトサイドで浮かしたボールが、逆サイドネットを揺らして津守U-15が先制に成功する。遠いサイドにいた自分達にはクロスのような軌道に見えたので、ゴールを確認して喜ぶまでに時間が掛かってしまった。それくらい意外性のあるゴールだった。

膠着状況が続き、危険な場面も何度か作られていた中でリードを奪うことに成功した清水セレッソは、前半から積極的に動く。CBの吉野晃基に代えて2年生の上加世田航也。航也は右SBに入り金田が左SBへ、そして岩井がCBへとスライドする布陣。更に後半に入ると、亀井脩平に代えて亀井大地。大地は左SHに入って準がトップへ、そしてマーボーこと西本雅崇がボランチへと下がって京井奎樹との2ボランチとなる。

後半も前半と同様に一進一退の展開となったが、気温の高さから両チームとも運動量が下がる。互いに消耗してはいたが、前半から脅威となっていたVAMOSのアタックへの影響も大きく、リードしているセレッソとしては多少有利に働いたようにも思われた。そんな中でも献身的に上下動し続けたセレッソのアタッカー陣、特に森定の献身的な働きは好印象として残った。またFWの耀誠は、真夏のコンディションに苦しみながらも最後まで奮闘。後半はゴールこそなかったものの、カウンターから抜け出し、相手DFを絶妙な切り返しで交わしてGKと1対1の局面を作るなど、ピッチ上での存在感を見せつけた。

後半は終始ジリジリとした展開が続いた。終盤にはキャプテンの裕馬に代えて橋本侑紀、準に代えて山田一喜を投入。そして後半ロスタイムには森定に代えて北本真一郎と、次々とフレッシュな選手を投入し、1-0でクローズに成功した津守U-15。VAMOSのサッカーが逞しく清々しいものであっただけに、大会初日の勝ち点3は観ている側にとっても貴重と感じることができるものだった。


セレッソ大阪U-15 (2010クラ選 vs 岐阜VAMOS) のフォーメーション

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個人的には今年の津守U-15はこの日が2回目の観戦、初めて観たのはクラ選出場を決めた堺NTCでの京都戦、1点を巡る緊迫した好ゲームだった。この日も京都戦同様のジリジリした1点差ゲームだったが、どちらかというとその京都戦よりも「硬さ」が目立ったという印象。勝ち点3という結果に安堵しながらも、挨拶に来てくれた時の、どこか課題を残したような選手達の表情が印象的に感じられた。

自分はこの1日のみの観戦のみのため、今日は会社で文字情報を追いかける一日となった。今日の塩釜戦では残念ながらカウンターとCKからの失点が響き、1-2の敗戦を喫してしまった...。明日の追浜戦はグループ突破を賭けた大一番。数字上は引き分け以下でも勝ち抜けの可能性は僅かに残るが、グループ突破には関東の強豪相手に勝ち点3が必要と考えた方が良いだろう。奇しくもU-18と同様に、グループ最終戦マリノスから勝利が必要という展開。楽ではない状況に間違いないが、見方を変えれば、チームとしても個々の選手としても大きく成長できるまたとないチャンスといえる。

勝つことにどれだけこだわれるか。勝つためにチーム一丸となれるか。自分は今年の津守U-15は2試合しか観ていないが、清水監督のもと、逞しく、そして大事な一戦でチカラを出し切って戦えるチームだと思う。私事だが、木曜日は仕事を調整して何とか休暇が取れそうな状況になってきた。もう一度Jヴィレッジで津守U-15のサッカーが観られることを信じて、明日は吉報を期待しています。

頑張れ!セレッソ大阪U-15!!

*1:秋には、「候補」という言葉を取って呼べるようになっていることを期待しています。