関東大学サッカー1部リーグ 中央大学 vs 青山学院大学

およそ1年振りの西が丘。目的は昨年と同じく、西U-15、U-18とセレッソユースで活躍した細見諒の所属する中央大学

昨年は晴天に恵まれていたものの、ホソは残念ながらベンチ外だった。しかし、今年は天候こそ雨足が強くコンディションは良くなかったが、この日のホソはスタメンのボランチとして出場。メンバーが固まらずスタメンの入れ変えが多い中央大学のチーム状況において、個人的にはベストなタイミングで観戦することができた*1



中央大学は前節を終了した時点で12チーム中9位と、残留争いに巻き込まれる形となっている。対する青山学院大学はこの時点で最下位。しかし、残り3節の結果次第では残留の可能性も十分に残っており、この試合は双方のチームにとって落とすことのできない大一番となった。

試合は前半8分、青学がペナエリア外右でFKのチャンスを得ると、このクロスに対する中大選手の戻りながらのヘッドがオウンゴールとなってしまう。その後も青学のFWへの縦へのアクションと2列目の飛び出しを中大DFが捕まえきれず青学ペースで試合は進む。中大は、立ち上がりの十数分はGKやバックラインからの前線へのフィードが多く、序盤はホソと渡部の2ボランチが効果的にビルドアップに関わる場面は少なかった。しかし、前半20分頃から中大が次第にポゼッションを高め始めると、2ボランチも含めたワイドな展開が見られるようになる。

すると前半31分、ポゼッションから青学DFを押し込んだ展開から、エリア中央に位置したホソがPA左へとスルーパス。これが起点となりGKと1対1を演出し、最後はこぼれ球をエース安柄俊が押し込んで中大が同点に追いついた。

しかし後半4分、青学が後半最初のCKでヘッドを流し込み勝ち越しに成功。その後は中大が押し込み、青学がカウンターを仕掛けるという展開が続く。雨足もいっそう強くなる中、中大は個の能力の高い前線の4人を中心に青学ゴールへと仕掛け続けるものの、決定的なチャンスにはなかなか至らない。

ホソは後半40分に途中交代。中大はその後ロスタイムには決定的なFKやその後の流れから決定的なチャンスを2度ほど演出したものの、いずれも青学GKの好守に阻まれて得点とはならず、試合は青学が2-1で勝利。青学にとっては、1部残留に向けて希望を繋ぐ結果となった。対する中大は順位をひとつ下げて10位となり、ギリギリ残留圏内に踏みとどまっているものの、残り2節の結果如何では...という状況に追い込まれた。試合終了直後、青学の選手達は喜びを爆発し、ホソを含む中大の選手の多くは、大きなショックを受けたという表情。この2チームのコントラストが、この試合の重要性をあらためて物語っているように感じられた。

試合を通じて、中大の選手達個々の能力、特に前線のタレントは大学サッカーでも相当に高いレベルにあると感じられた*2。その一方、個々が孤立しながら奮闘しているようにみえる場面も多く、チームとしてこの高い個のチカラを融合しきれていないようにも感じられた*3

また、ホソ個人としては、ユース時代と同様に攻守でバイタルエリアの広範囲をカバーし、安定した配球でチームのビルドアップに絡んでいた。更に、流れの中で前線へと飛び出すなど、ユースの頃と比べて高い位置でプレーに関わる回数が増えたようにも感じられた。その中にはミスも幾つか見られたが、プレーエリアとプレーの選択肢の幅を広げていこうというチャレンジだと個人的には感じている。

攻撃参加後のカウンターにも素早い切り替えでスペースを埋めるなど、プレーエリアの広さも突出していた。これは稀有な才能だと思うので、自信をもって磨いていってほしい*4。また、学年に関係なくピッチ内からしっかり声を出して鼓舞していく姿はユースの頃と変わらず、サッカーに対する真摯な姿には頼もしさも感じた。

チームとしても個人としても簡単ではない状況の中で、それでも試合後にはホソ本人から力強い言葉を聞くことができたことが嬉しかった。次は、更にひと回り成長した姿を観ることができるのを期待しています。

頑張れ!細見諒!!

*1:ただ所用によりこの日はスーツ姿だったため、雨は正直厳しかった...

*2:砂川は何でトップに上がれなかったのだろう?というくらいユースではやられたし、安も高さと早さを兼ね備えたJ1クラスで十分通用するストライカー。今日の2列目の2人も技術の高いドリブラーで、ベンチやメンバー外にもユース時代から見知った名前が並んでいる。

*3:考えようによっては、ちょっとしたことで劇的に良くなる可能性があるとも言えるが。

*4:ユース時代もビハインドや劣勢時にホソのおかげでバランスを保てた試合は数多くあり、チームとして何度も助けられた。