U-15高円宮杯(12/19、12/20)

西U-15にとっては3年前のクラブユース選手権以来の全国の舞台となる、高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会。U-15世代最強目指して、徳島の地から大阪、そして東京を目指した戦いが始まった。



【大会初日(12/19):vs サンフレッチェ常石F.C】


 GK: 有井
 DF: 岡田武、坂手[CAP]、河面、岡山
 MF: 南(→吉本)、吉永、竜田(→正條)、天野、長谷川
 FW: 堂安(→萩原)


夏のクラ選で津守U-15とグループリーグを争った、サンフレッチェ常石F.Cとの一戦。このとき、常石はグループ最終戦マリノスを倒してベスト16へと駒を進めている。そして今大会でも、中国大会を制して全国の舞台へと勝ちあがってきた。J下部組織の強豪との初戦を制して、波に乗っていきたい。

試合は立ち上がりから西U-15のポゼッションで進む。前半11分、右サイドを突破した南のクロスを、ファーに位置していた長谷川がヘディングで流し込んで待望の先制点を奪う。続く16分には、右サイドペナエリアやや外でFKのチャンスを得る。河面が左足でニアに速いボールを送り込むと、混戦をすり抜けて逆サイドネットを揺らして2-0となった。

更に前半30分の右CK、竜田へのショートコーナーから河面が左足でクロスを入れる。これに合わせた天野のシュートがゴールネットを揺らして3-0。そして直後の32分にはペナエリア中央でボールを受けた竜田がミドルシュートをきっちり流し込み、前半で4-0と大差のリードを奪うことに成功した。

後半は立て直してきたサンフレッチェ常石の出足の速さの影響もあって、試合展開は次第に落ち着きを見せ始める。対する西U-15は1トップの堂安に代えて萩原を投入。その5分後、南に代えて吉本とフレッシュな選手をピッチに入れていく。

しかしこの後、審判の2つのジャッジから、セレッソにとっては試合を壊されてしまう結果となった。詳細を書くことは控えるものの、ひとつめのジャッジから失点を喫し、ふたつめのジャッジで退場者が出てしまった。普段は多少不満な判定や誤審があったとしても、ここでは極力苦言を呈することがないようにしている。しかし、この日の判定、特に2つ目のものは、主審の誤った判断で試合に出場する権利を選手から奪うもの。到底、納得することはできない。

それでも、芳賀監督から「ちゃんとプレーしよう」と声が出ていたように、最後まで西U-15のサッカーを展開。竜田に代えて正條を入れることでDFラインを建て直し、しっかりと勝ち点3を奪って大会をスタートすることができた。



【大会2日目(12/20):vs スポーツクラブ岐阜VAMOS】

初戦を勝利したチーム同士の対戦となった岐阜VAMOS戦。東海大会の決勝では、名古屋U15と5-3の打ち合いを演じている。また前日の愛媛戦では、前線のアタッカー陣を生かしたショートカウンターが脅威となっていた。


 GK: 有井
 DF: 岡田武、坂手[CAP]、河面、吉本(→岡田裕)
 MF: 南、吉永(→正條)、竜田(→萩原)、天野、長谷川
 FW: 堂安(→平田)


立ち上がりこそセレッソがチャンスを掴んで何度か決定機を迎えたものの、岐阜の守備陣が落ち着いて対処し始めるようになるとともに、試合は一進一退の展開へと移行していく。とりわけサイドアタックに対するアプローチが厳しく、昨日は1.5列目でゲームをコントロールしていた10番がサイドの低い位置に張ってケアするなど、愛媛戦とは異なる布陣。センターは5〜6人のブロックでスペースを消しながらもボールサイドへのチェイスは厳しく、1トップの11番を軸としたカウンターでセレッソの守備陣を脅かしてくる。セレッソとしてはアタッキングサードまでボールは運ぶものの、フィニッシュに辿りつくことの難しい時間帯が続いた。

この中で先制点を上げたのは岐阜VAMOS。前半29分に10番との連携から11番にライン裏に抜け出されると、1対1から流し込まれて失点を許してしまう。そして直後の31分、右サイド奥から上げられたクロスがファーへ流れると、シュータリングとなったボールは逆のサイドネットに吸い込まれてしまう。岐阜の勢いを象徴するかのようなクロスの軌道は、有井にとってはノーチャンス。セレッソにとって、不運な失点となってしまった。

ハーフタイムに芳賀監督の激しい激が飛ぶ。これまでにやってきたこと、練習してきたことをしっかり出し切ろう、と。

後半、攻守に運動量の上がった西U-15は、積極的な個の仕掛けも加わって岐阜を相手陣内へと押し込んでいく。そして後半10分頃に、ストライカー萩原を準備して積極的に得点を奪いに出ていこうとする。

しかし、この交代の直前に、再び相手11番にラインの裏を取られてしまう。ディフェンスがひとり追走しながらもGKとの1対1となり、今度は有井が絶妙なストップを見せたが、運悪くこぼれたボールは再び11番の足元へと収まってしまう。セレッソとしては痛恨の3失点目。それでも、残りの時間で1点でも多くの得点を奪いにいくしかない。

竜田に代えて萩原を、更には岡田裕希、正條、そして昌規と次々にフレッシュな選手を投入していく西U-15。サイドの崩しや前線からのプレッシングによって何度も決定的な場面を迎えたが、僅かのところでゴールを逸れ、また相手GKのファインセーブも連発、最後のところでゴールを奪うことができない。

そして0-3のままホイッスルが鳴り試合終了。グループリーグ突破に向けて、厳しい結果となってしまった...

常石戦のスカウティングの結果からか、岐阜は前日の愛媛戦からフォーメーションを変更してきた。西U-15の良さを消しながらも、11番や10番、9番といったタレントが決定的な仕事を果たすことで攻撃面にも怖さが残っていた。何度も訪れた決定機のひとつでも決まっていれば、試合はまた違う展開になっていたかもしれない。しかし、この日の岐阜のゲームプランとそれを実現したハードワークは、悔しいけれども素晴らしかった...というほかない。

各グループの1位のみが決勝トーナメントへ進出するという異例のレギュレーションが、状況をいっそう厳しいものにしてしまっている。しかし、たとえ厳しい状況であっても、やるべきことははっきりしている。今できることは最終戦に勝って勝ち点を6とし、岐阜と常石の結果を待つこと。常石の勝利が前提となるが、岐阜を超えるには愛媛戦で6点差、総得点も視野に入れれば7点差の勝利が望まれる。

もちろん、決して容易な状況ではない。しかし、本当に信じて準備ができていれば、たとえ僅かであったとしても可能性は残るもの。そして、仮に最後の試合になってしまったとしても、これまでに積み上げてきたものを、芳賀監督とともに西U-15が展開してきた素晴らしいサッカーを、もう一度しっかりと全国の舞台に刻んでほしいと思います。


頑張れ!セレッソ大阪西U-15!!