SBSカップ U-19日本代表 vs ガーナ代表

鹿島遠征前から気になってはいたが、スペイン代表を沈めた永井龍の2ゴールに触発されて現地観戦決定。というか、藤枝に行きたいオーラを出して、長距離遠征でお疲れのSweets1氏に連れて行っていただいた形ですが...

試合は何と龍がキャプテンマーク、そしてU-19代表は龍と健勇の2トップ。コイントスでコートチェンジしてくれたお陰で、目の前で龍の2ゴールを堪能させていただきました♪

1点目は、GK川浪のゴールキックを健勇が相手DFとの競り合いに勝ってバックヘッドで流したところに龍。GKとの1対1を冷静に決めて日本先制。ゴールを決めた龍は、GKとの交錯から起き上がるまでにちょっと時間があり、若干不安になったものの無問題。いつ観ても、龍のゴールシーンでの落ち着きは素晴らしい。

2点目は、左サイドでボールを受けてドリブルで中央へとスライド。良いタイミングで中央へ走り込んだ健勇を囮にしてペナエリア外から豪快に右足を振りぬくと、グラウンダーのシュートが左ポストを叩いてそのまま内側に跳ね返りゴールイン。1年の頃から無回転を放てるシュートスキルを持つ龍だが、流れの中でのミドルによるゴールは最近ではあまり記憶にはないかな。

ただ個人的には、チーム2点目のアシストが最も特筆すべき、素晴らしいプレーだったように思う。左MFの藤田が自陣低い位置でボールを保持すると、龍は左へとフリーランニングしながら相手DFと駆け引き。トップスピードで走りながらオフサイドラインの外へ(恐らく意図的に)流れると、パスのタイミングに合わせてウェーブしながら再びラインの中へ。センターラインと並行に走りながらの一連の動きは、正直鳥肌ものでした。

藤田からのパスを受けると、オフサイドを主張するガーナDF陣を尻目にトップスピードで左サイドを突破して、ペナエリア外でいったんボールをキープ。そしてパスを出した藤田が飛び込んでくるタイミングに合わせて相手DFの逆を取って、最後はグラウンダーの丁寧なパスでアシスト完了。2ゴール1アシストの文句のつけようのない活躍で、前半にてお役御免となった。

健勇も得点こそ無かったものの、持ち味を如何なく発揮。プリンスリーグなどで観ると能力を出し切れていないように見えてしまうこともあるのだが、この日のように相手のレベルが上がると、それに合わせるかのように対応していくあたりはさすが。身体能力の高さに加えて、足元の技術とスピードを併せ持っているためか、ガーナDF陣が迂闊に飛び込めないような雰囲気になっていた。本人的には、チャンスに決められなくて反省の方が多そうな雰囲気だったが、個人的には充分良いパフォーマンスだったと思う。あと、この試合ではよく頑張って走っていたかなとも思うw

セレッソ以外でも、この世代はほとんどユース時代に観たことがある選手ばかりだったので、観るべきポイントは多かった。気になったのは、中盤にスキルの高い選手を揃えている割には、若干不安定な面があったように思えたこと。元養和の加藤も前育の小島も攻撃面での能力に疑いはないが、もう少し中盤を引き締められるような選手と組ませた方が、チームバランスは良いのでは?と感じた*1。また、今年のU-18クラ選で鬼神の働きを見せたヴェルディの小林も、この日は何となく窮屈そうにプレーしていたようにも見えた。

そして、今大会注目の指宿も、怪我のためかプレー時間が短かったのは残念。前線で孤立気味なのが気になったが、もし彼を「普通の大きな選手」と考えているならばちょっと残念なように思う。あの体格で、2列目でもこなせるような技術の高さが彼の持ち味と思うのだが...

これまでは、世代別代表の試合を現地観戦する機会はあまり無かった。この日は、代表に定着することが思っていた以上に難しいのかなということ、そしてその中で龍や健勇がしっかり活躍できていることの喜びなどが入り交じった、個人的には非常に有意義な試合観戦だったと思います。

*1:代表レベルにあるかという議論はさておき、昨年ウチのU-18にいたホソとか昨年のFC東京U-18の年森のようなタイプの選手がいれば、また違ってくるのかなという感じはしました。