クラブユース選手権 vs 横浜F・マリノスユース @Jヴィレッジ adidas Pitch

大会三日目、グループリーグ突破を目指してマリノスユースとの大一番に挑んだセレッソ大阪U-18。既にセレッソの公式にも出ている通り、残念ながら1-2の敗戦。今大会はグループリーグリーグでの敗退となってしまった。火曜日の夜に帰宅した時点で書こうかとも思ったが、その日は疲れのためかそれとも悔しさのためか、キーボードを叩く手が動かなかった...


セレッソ大阪U-18 (2010クラ選 vs 横浜FM) のフォーメーション

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野口と洋亮の出場停止を受けて、雅斗と大地がスタメン。大会前の負傷のため今大会初出場となった雅斗は、関西プリンス時と同様に右SBに入る。大地は初戦と同様にボランチに入って中央は凌輔とのセットとなり、これまで配給役としてセンターに位置していた慶太が右の2列目へと移る。左SBには塩釜FC戦と同様に、攻撃力に定評のある小暮を抜擢するという布陣でスタートした。

試合は前半開始の早い時間帯に動く。マリノス攻撃陣のプレッシングから最終ラインでボールを奪われると、ペナエリア手前中央における混戦から右サイドへとボールが流れて、最後はフリーで抜け出した松本に先制ゴールを許してしまう。早い時間帯のため致命的ではなかったものの、勝ち点3がトーナメント進出において必須のセレッソにとって、決して軽くはない失点となってしまった。

今大会は昨年以上に、グループリーグにおける関東のチームの躍進が目に留まった。選手個々の能力に限れば関東と他地域のチームで大きな差はなかったように感じたが、ひとつ違いを上げるとすれば、それは前線からのアプローチの速さだったというように思う。セレッソ以外では京都の試合を中心に観戦したが、京都もFC東京三菱養和との試合ではビルドアップの段階で苦しむ場面が多かった。

マリノスもこれらのチームと同様に、この試合を通じて、CBの堀尾や佑平にボールが入るタイミングを狙ってプレスを仕掛けてきた。最終ラインからボールを繋ぐ今年のセレッソにとって特に前半は厳しい時間帯が続き、ロングボールを織り交ぜながら前線へとボールは運ぶものの、良い形での崩しにはなかなか至らない。マリノスがやや押し気味の展開だったものの、互いに決定機はそれほど多く作れないまま前半は終盤を迎える。この時間までは劣勢のセレッソだったが、ロスタイムに入ろうかという時間帯に、前半で唯一かつ最大のチャンスが訪れた。

拓馬からのボールを受けた大地が、ペナエリア内へグラウンダーのパスを入れる。これを拓実がゴールを背にして受けると、巧みな左反転で相手ゴールに向かってターン。さらに右へとフェイントを入れて相手GKのタイミングをずらすと、最後はマリノスDFのプレッシャーの中で落ち着いてゴールへと流し込んだ。苦しい時間の続いた前半だったが、拓実の2試合連続ゴールで1-1の同点としてハーフタイム。ここまでの試合展開を考えると最高の時間帯、そしてチームに勢いをもたらすゴールだった。

後半は前半の勢いそのままに、開始からマリノスゴールへと攻め立てるセレッソ。6連続コーナーキック、その前のFKを含めると7連続セットプレーでマリノスを自陣ゴール前へと釘付けとして一方的に攻め立てる。小暮の放ったボールの多くがチャンスを演出したが、そのうち2、3度あった決定機でいずれもゴールバーに阻まれるなど、僅かのところでマリノスゴールを破ることができない。その後もCBの堀尾が果敢にオーバーラップしてクロスを供給したり、ケンジや拓実が相手DFとの駆け引きからディフェンスラインの裏へと抜け出したりと、選手達の想いを反映するかのようなセレッソ優勢の時間が続く。

大地は負傷中の足も構わず、見ている方が心配になってしまうほどにボールを全力で追い回す。キャプテンの凌輔は感情を露わしにて、声でそしてプレーでチームに激を飛ばす。雅斗も試合前は負傷が完治していないようにも見えたが、後半はそれを感じさせないプレーで奮闘。小暮は慣れないSBにも構わず攻守にボールを追い回して、左サイドで何度も上下動を繰り返す。給水タイム時に絶対に勝てるぞと声を掛けると、慶太が力強く頷く。その表情からも、絶対に1点取れる、取らせてあげたいと強く想った。

しかし後半24分、ペナエリア手前へと侵入したマリノスの高橋が絶妙なフェイントから最終ラインを突破。これをきっちり流し込まれて2点目を許してしまう。マリノスの個人技からゴールを喫して、グループリーグを勝ち抜けるにはあと2点が必要という苦しい状況へと追い込まれてしまった。

この後、拓馬に変えて舜司、雅斗に変えて将と前線の選手を次々と投入。スクランブル的な布陣で、FW陣がライン裏へと抜け出す場面も何度かあったが、どうしても1点の遠い展開が続いてしまう。そして試合はそのまま1-2で終了。今年のセレッソ大阪U-18の夏は、大会3日目で終わりを迎えることとなった...


セレッソ大阪U-18 (2010クラ選 vs 横浜FM) のフォーメーション

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残念な結果となってしまったが、後半の一方的な時間帯には選手達のこの試合への想いを感じることができたし、そういった意味ではセレッソらしい良いゲームだったのかなと今となっては思う。

また、この試合に限れば、立ち上がりの失点が痛かったということになるのかもしれない。しかし、リスクを恐れずに果敢にチャレンジしていくところが、今年のチームの良さだと個人的に感じている。これからの試合でも失敗を恐れることなく、最終ラインからボールを繋ぐ今年のサッカーを継続して、その内容を高めていってほしい。そして高円宮杯の舞台で夏の借りを返せるよう、選手とスタッフが一丸となって残りの夏を頑張っていってほしいと思います。

ありがとう、そして、お疲れさまでした。セレッソ大阪U-18の選手達。