クラブユース選手権 vs 塩釜FCユース @Jヴィレッジ Pitch1

大会2日目は東北第2代表の塩釜FCユース。大会初日のマリノス戦では0-3の敗戦だったが、関東の強豪相手に昨年のような大量失点ではなかったことからも、全国大会への慣れを感じさせる。この日の最大の目標は、当然ながらきっちり勝ち点3を得ること。そして試合展開によっては、マリノスを超える4点以上の得失点差を窺っていきたい。


セレッソ大阪U-18 (2010クラ選 vs 塩釜FC) のフォーメーション

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大会1日目から一部のメンバーとポジションを修正。凌輔をボランチに上げてSBには小暮を抜擢。そして2列目を洋亮・拓馬の西村兄弟をセットでスタメン起用し、昨日2列目だった拓実はFWでスタート。拓実のフィニッシャーとしての決定力の高さに期待して、大量得点を意識した布陣といえるだろうか。

試合は予想通り、立ち上がりからセレッソが塩釜陣内へと押し込んでいく展開。しかし、塩釜FCも押し込まれながらもボールホルダーへの積極的なプレッシャーから、カウンターを窺う場面が何度かみられる。

前半8分。前日の試合では大分が10人から11人へと戻った時間だが、この日もこの時間に試合が動く。塩釜のカウンターから右寄り30m程度の位置でFKを与えると、5番と6番の選手がポイントを変えたボールを8番に直接ゴールに流し込まれ、予想外の先制点を与えてしまう。この日の塩釜は、FKでは常に同じ形からセットプレーを実施し、CKでは必ずといって良いほどショートコーナーを多用してきた。最初のセットプレーで失点を許してしまったこともあるのだろうが、塩釜FCの大会へのしっかりとした準備が感じられるプレーだった。

予想外の失点で難しい展開となってしまったが、この状況を打ち破ったのは拓実だった。前半11分に洋亮のスルーパスに反応してペナエリア内右でボールを受けると、外側にワンフェイント入れて相手DFとGKのタイミングを外して最後はループで流し込む。昨年のU-15クラ選、マリノス戦での同点ゴールをフラッシュバックで観ているかのように個人的には感じられるゴールだった。実に拓実らしい、ビューティフルなゴールで試合を振り出しへと戻す。

その後はセレッソが押し込む展開となったが、塩釜FCもカウンターとセットプレーから危険な場面を作り出すなど、全体としては優位に試合を進めるものの勝ち越し点の奪えない、緊張感の高い時間が続く。セレッソも選手が連動したプレッシングで、塩釜の最終ラインにプレッシャーをかけ続けてチャンスを窺っていた。しかし、GKへのバックパスに拓実がプレッシャーをかけに行くと、GKのクリアが拓実の手首付近に当たって負傷というアクシデントが発生。そのまま拓実は交代となり、同じ1年の将が交代でピッチへと入る。その後スコアは動かず、前半は1-1の同点のまま終了した。

後半に入ってからも前半と同様の展開が続き、なかなか勝ち越し点を奪うまでには至らず厳しい時間が続く。この中で洋亮と野口がイエローを貰いともに今大会2枚目、3日目のマリノス戦は出場停止となった。ベンチも流れを変えるべく大分戦ではスタメンで起用された大地を投入して、中盤の活性化を図る。そして、遂に均衡が破れたのは後半18分。野口のクロスの跳ね返りをケンジが拾い、混戦の中で放ったボールが相手DFのオウンゴールを誘って、苦しみながらも勝ち越しに成功した。

これで勢いに乗ったセレッソは、カウンターで塩釜の最終ラインを切り崩し始める。クロスに対してニアで潰れてファーで受けるという展開が続くと、塩釜守備陣は次第に対応しきれなくなり決定的な場面が続く。そして後半32分、ケンジの中央右からのパスを将がスルーすると、ファーでフリーとなった拓馬がきっちり流し込んで3点目。これで試合を決定付けた。

この前後にも、将?のミドルシュートのこぼれをケンジが押し込む場面もあったが、これはオフサイドの判定。そして、右からの速いクロスに対してファーに入った将がダイレクトボレーで合わせる場面もあったが、これもオフサイドの判定となってしまった。全盛期の西澤明訓を彷彿とさせる豪快なボレーに一同がヒートアップした素晴らしいプレーだったのだが...マイナス気味のクロスに後ろから入っていった将がオフサイドというのは信じ難く、将自身にとっても全国大会での貴重なゴールだっただけに、このゴールだけは認めてほしかった*1

終盤には、今大会初登場となる豪と潤弥を投入し、最後まで攻め切る姿勢をみせたセレッソ大阪U-18。豪は積極的にラインの裏を狙い、交代直後にGKとの1対1の場面を作り出したが、惜しくも阻まれて得点ならず。潤弥も右SBの位置から積極的に攻撃に絡もうとしたが、持ち味を発揮するには残念ながらちょっと時間が短かすぎたか。

また、終盤の時間帯では、西村兄弟のハードワークが印象的だった。もちろん、ピッチ上のすべての選手が苦しい時間帯であってもしっかり戦い切っているのだが、特に彼ら2人の終盤の運動量は、時間が経つにつれて際立ってくるように感じられた。この日の拓馬のゴールも、彼らの献身的な働きに対するご褒美のようなものなのかもしれない。


セレッソ大阪U-18 (2010クラ選 vs 塩釜FC) のフォーメーション

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試合はそのまま3-1で終了。大会2日間で1勝1分の勝ち点4とし、大会3日目のマリノスとの対戦でグループリーグ突破を目指す展開となった。対するマリノスは、大分を2-1で破って2連勝の勝ち点6。この結果から得失点差は関係なく、マリノスに勝てば勝ち点7でグループ突破が決定。引き分けで勝ち点5では、例年の2位抜けに必要な条件(勝ち点6の上に得失点差の積上げが必要)には届かず、グループ突破はまず無いと考えるべきだろう。

ここ数年は、突破への条件が混沌とした中で第3戦を迎えたが、今年は勝てば突破、引き分け以下なら敗退と非常にシンプルな状況で挑むことができる。これまでのマリノスとの一戦は大会の趨勢を占う試合となっていたが、今年の対戦もこれまでのような大一番となった。

野口と洋亮が出られず、勝ち点3がトーナメントへの必須条件となるマリノス戦では、遠征帯同メンバー全員に出場のチャンスがあり、チームとしての総合力が問われる一戦となるだろう。今季最高のゲームでマリノスを倒して、今年もトーナメントの舞台へと歩を進めていこう。

頑張れ!セレッソ大阪U-18!!

*1:ひょっとしたら、ニアでスルーした(潰れた?)選手がオフサイドという判定だったのかもしれないが...