プリンスリーグ関西 高円宮杯出場決定戦 準決勝 vs 滝川第二高等学校 @万博ガンバ人工芝

関西残り1枠を賭けたトーナメントの初戦は、開幕戦で対戦した滝川第二高校。トーナメントでの滝二戦、どうしても4年前の記憶が脳裏を過ぎってしまうのだが...


 GK: 一森
 DF: 小池(→前島→宮園)、杉本、成田(→宮田)、夛田
 MF: 高橋(→野口)、扇原[CAP]、細見、道上
 FW: 坂口、永井(→風間)


タカを一列上げてボランチで起用し、隼人をSBから2列目の右に配置。昨年実績からすれば、2人とも本来のポジションに戻ったともいえる。一見すればマイナーなポジションチェンジと思えなくもないが、チームコンセプトという意味でこの変化は大きい。

緊張からか、普段と比べて不安定な立ち上がり。滝二は大型FWの11番にボールを集め、セカンドボールを拾ってセレッソ陣内へと押し込んでくる。セットプレーとMF10番のキレのある突破から何度かピンチを迎えるものの、ディフェンスラインがギリギリのところで対応、得点を許さない。

攻撃では、タカを中心としてボールを動かしていきたいものの、細見との2ボランチはなかなか良い形でボールを引き出すことができない。SBや2列目が絡んだ綺麗な展開でボールを繋ぐ場面は少なく、滝二ペースのまま序盤は試合は進む。

しかし10分も過ぎた頃からだろうか、滝二11番のパフォーマンスが急に落ち始める。灼熱の炎天下というのもあるのだろうが、健勇とのマッチアップによる疲労は半端なものではないということだろう。それまでは流れを作れないままとなっていたが、待望の先制点は前半15分に訪れる。タカが最終ラインに下がってボールを受け、前線へとロングフィード。これを滝二GKが対応を誤ったのか、龍がスッと体を入れてボールを奪うと、無人のゴールへと流し込む。どのような形であったとしても、一発勝負での先制点は非常に大きい。6月にU-15世代を観て、トーナメントの難しさを嫌というほど感じていただけに...

その後、試合は次第に落ち着き始めたが、ビルドアップ時の連携にはなかなか改善を見出せない。さらに、滝二の激しいプレーが危険なプレーとなる場面が出てくるようになり、龍がレートタックルを受けて左足を負傷してしまう*1。持ち前のハートの強さでピッチに戻ってきたものの、明らかに足を引きずりながらのプレーとなっていた...

セレッソのベンチはここまでが限界と見切ったのか、前半終了を待たずに小池に代えて前ちゃん、そして成田との交替で大輔を投入。タカをCB、隼人を左SBへと下げて、これまでと同様の布陣へと移行し、タカが前を向いてボールを受けれるようになった。ただ、代えられた2人にとってはキツいやろうな。前半で代えられるほど悪い内容ではなかっただけに...

更に後半開始からはナオに変えて野口をピッチへと送り出す。待望の2点目は後半4分、滝二GKへのバックパスに豪が猛然とチェイシング。キーパーのクリアボールは豪に当たってペナエリア中央へと転がり、これを押さえた龍が冷静にゴールへと流し込む。豪は、前半は直接ボールに絡める場面は少なかったものの、献身的なプレーがこのような場面を作り出す。一昨年の赤堀のように、彼の運動量は既にチームにとって欠かせないものとなっている。

そして試合を決定付ける3点目は10分後の後半13分。細見のパスを受けた大輔がダイレクトに右の夛田へと展開。ニアへの速いクロスに龍がスライディングで合わせて、ハットトリックを達成。彼のプレーに感動を受けた反面、その代償が今後に大きく響いてこないことを祈るばかり...また、大輔はこの日は途中からの出場だったが、この場面に見られるようにプレーの判断は速くなり、よりチームへとフィットしてきている。

とうに限界を超えていた龍に代わってFWの位置に入ったのは、スポーツクラブ岐阜VAMOSから加入のケンジ風間。3月に立命館大学との練習試合で観たとおり、フィジカルに優れて足元の技術も高く、セレッソのエースナンバー「20番」が似合う選手。あとはスタミナをつけて夏場でも走りきれる選手になれば、チャンスはもっと増えてくるはず。

後半37分に最後のカード、前ちゃんに代わってゾノを投入。この日は2列目が効果的に絡める場面は少なく、FWが本職の前ちゃんにとってはしんどい展開だったか。交替で入ったゾノは野洲戦で絶好調だったと聞いていたとおり、短い時間ではあったが持ち前の突破力を存分に発揮。これまでは、最前線からプレッシャーをかけ続けることに奔走させられていた感もあったが、ここに来てスタメン争いに食い込んでもおかしくないパフォーマンス。ゾノに限らず、他の選手達もクラ選に向けて積極的にアピールしていくことを期待しています。

試合は3-0のまま危なげなく終了。決して良い内容だったとは言えないかもしれないが、トーナメントは良くないなりに次に繋げることが大事。来週の大一番は、難敵、大阪桐蔭。リーグではスコアレスドローに終わったが、次は90分でも120分でもPKでも何でも良いので、3年連続の高円宮杯の舞台へと繋げていってほしいと思います。

頑張れ!セレッソ大阪U-18!!

*1:このプレーはイエローどころかファールですらなかった...主審は終始笑顔で対応していたが、育成年代では特に、大怪我に繋がりかねないプレーをコントロールできないのは大きな問題と認識してほしい。