プリンスリーグU-18関東 東京ヴェルディユース vs 矢板中央高等学校 @ヴェルディグラウンド

日本クラブユース選手権(U-18)大会、グループリーグの組み分けが発表された。3年連続マリノスと同グループは回避したものの、何とヴェルディと札幌が昨年に引き続いて同じグループ。せっかくの全国大会なので対戦したことのないチームと戦わせてあげたかった、という思いもある*1。しかし、昨年はヴェルディとは1-1ドロー、札幌とはクラ選と高円宮杯で1勝1敗といずれも決着がついておらず、またとない再戦の機会ともいえるだろう。

今年のヴェルディユースは、ゴールデンウィーク明けに行われたレッズ戦@駒場で既に観ている。そのときは個々の選手の能力の高さが目立つ反面、チームとしての成熟はこれからという印象を持った。2ヶ月が経ち、関東大会を制してJヴィレッジに乗り込んでくるチームはどのように変化しているのだろうか。


     児玉[9]  小林[10]

及川[15]           新村[11]

     窪田[12]  渋谷[26]

三竿[20] 高野[3] キローラン木鈴[13] 八塚[2]

     キローラン菜入[16]

《交代》: [26]→端山[33]、[9]→相馬[18]、[15]→木澤[17]、[10]→館野[29]、[11]→[28]


今節は高木兄弟が不在。その影響もあるのか、前回見たときと較べて中盤のメンバーが完全に入れ替わっている。矢板中央も開幕の三菱養和戦で観た。そのときは、試合全体を通して押し込まれていたものの、最後のところで踏ん張って勝ち点1を獲得。その後も粘り強く勝ち点を積み重ね、2試合を残して1部リーグ残留の可能性を残している。

立ち上がりからヴェルディがポゼッションを支配する展開は想定通り。U-17代表の小林祐希はFWにポジションを取っているものの、ビルドアップ時には必ずと言って良いほどボールを受けに下がってくる。最終ラインからトップへ当てるフィードは少なく、小林と両ボランチのビルドアップと連動して、FWの児玉と2列目の2人が裏のスペース、特にフィニッシュに直結するCBの裏を狙う。

また、中盤の選手が中に絞ることで空いた両サイドのスペースを、両SBが高い位置取りから活用していく。両ボランチも積極的に最前線へと飛び出していき、層の厚い攻撃が展開されていた。前回見たときは高木兄弟を中心とした個の仕掛けが目に付いたが、この日のヴェルディは、先日のレッズ戦や昨年の同時期よりも、チームとしてボールがよく回っているように感じられた。

その一方で、ヴェルディは前半のうちにボランチの渋谷に変えて端山を投入。的確にボールを散らして悪くなかったように感じられたのだが、ボールに絡む場面が少なかったといった理由なのだろうか...?

対する矢板中央は守備に回る時間が長くなったものの、リトリートして自陣でブロックを形成。対人の局面でしっかり体を張って、前半をスコアレスで折り返した。

後半、ワンプレーから試合の流れが大きく変化。50分、矢板中央GKがパントキック時にペナエリアを出たとの判定から、ヴェルディが間接FKを得る。そして小林が軽く触ったボールを新村がゴール右隅に豪快に蹴りこんでヴェルディが先制に成功した。

これでヴェルディの選手達は気持ちが楽になったのか、小気味良いサッカーを展開。60分には端山のスルーパスに途中交替の相馬が合わせて2-0。更に73分にはやはり途中交替の木澤のスルーパスに、逆サイドの新村がゴール中央のスペースを突いて3-0。新村はこの日2点目。ポッカリと空いた中央のスペースに絶妙のタイミングで飛び込み、矢板中央のDF陣は対応できなかった。

最後は86分。CB高野の豪快なオーバーラップから1点目とほぼ同じ場所でFKを得ると、またしても途中交替で入った館野が直接FKを左足で巻いて流し込んで4-0。この日は交替選手がことごとく結果を残し、選手層の厚さを見せつけての完勝だった。

今年のヴェルディとの対戦はグループリーグ最終戦。互いにグループ突破の可能性を賭けた大一番を、Jヴィレッジのメインピッチ、ピッチ3で迎えられるようにしたい。

*1:個人的には、今年の三菱養和とはぜひ対戦機会を持ってほしいと思っているのだが、それはグループリーグを突破できたあとに考えることにしよう。