プリンスリーグ関西 vs 大阪桐蔭高等学校 @上富田球技場

およそひと月の中断期間を経て再開されたプリンスリーグ関西。球技場へのアクセスは予想通り(予想以上に?)大変だったが、急勾配かつ充分な広さの観客席はこの年代の試合にマッチした造りといえそう。ピッチも一部は斑な状態に見えたが、第一試合の和歌山ダービーを観る限りではパフォーマンスへの影響はほとんど無さそう。

U-17ブルキナファソ遠征のため残り2節は健勇と夛田の2人を欠き、文字通りの総力戦。


 GK: 一森
 DF: 小池、成田、扇原[CAP]、道上
 MF: 山田(→堀尾)、宮田(→杉浦→宮園)、細見、高橋(→野口)
 FW: 坂口(→南野)、永井


立ち上がりはセレッソペース。龍の個人能力による仕掛けを中心に相手陣内でゲームは進む。大輔が的確なポジショニングでセカンドボールを押さえて、シンプルにボールを展開していく。中断前と較べて状況判断と展開の速さが上がっており、着実にチームにマッチしてきていると感じた。

攻撃は主に右サイドから。マサキの仕掛けに龍や豪が絡み、祐平がサポートするカタチでチャンスを伺う。細見も高い位置で決定的なパスを通そうとするなど、プレーの幅を広げていこうとする姿勢が見えた。

一方、左サイドは隼人の突破力をなかなか活かすことのできないもどかしい状況。ナオもボールを受けてから狙っている感じは伝わってくるのだが、周囲との微妙なズレからシンプルにボールを離せない場面が続く。チームのバランス取りに腐心しているように思えたのは自分だけだろうか...

対する大阪桐蔭は、最終ラインからのFWの18番を狙ったフィードを軸に、11番の斜めの動きでセレッソの最終ラインを脅かし、加えてセカンドボールへの対応から次第にリズムを作り出す。2トップへの対応に苦慮する場面もあったが、CBを中心にピンチを未然に防いでいく。特に成田は、タカのサポートに助けられた場面もあったものの、奈良育英戦で観たときと較べて格段に良くなっているなと感じた。

前半の半ばにマサキがPA内の交錯からイエローを受たこともあり*1、後半を待たずに堀尾を投入。そして、前半の終了間際からアップのピッチを上げていた拓実が後半開始から出場。中学3年生でのU-18合流は、最近では龍や健勇以来かな。ファーストプレーで相手DFの逆を取り、フィニッシュまで持っていったセンスはU-18でも充分通用する。あとはフィジカルの差、特に前を向けない状況でどのようにプレーに工夫を加えていくか、かな。それが出来れば、今年からU-18で活躍することも可能だと思う。

後半からは選手のポジショニングが目まぐるしく変化。サイドに基点を作る目的からか龍を左サイドに据えてナオと拓実の2トップ。その後、ナオに変えて野口を投入すると、龍がFWに戻って野口が左SBに入り、隼人が右の2列目に上がる。これらのポジションチェンジでバランスを取り戻せれば良かったのだが、次第に運動量の落ちない大阪桐蔭にセカンドボールを支配される苦しい展開に。

ベンチは更に動き、大輔に変えてストライカー、サムを投入。これによって野口がボランチに移動して隼人は左SBへと戻る。龍も再び左の2列目に下がって、前線はサム・拓実の2トップに移行する。この交替が功を奏し、サムが前線でボールを収めて基点となり、ビルドアップに苦慮していたチームは次第に落ち着きを取り戻していく。また、トップに基点が出来ることでサイドも有効活用できるようになり、少しずつゴールの匂いが漂い始めたように感じられた。

終盤、勝ち点3を目指して最後の攻撃カード、ゾノを投入。交代選手は途中出場のサム...前線の選手を投入し続け、龍を外せないとなったら途中出場の他の誰かと入れ替えざるを得ないというのは理解できる。できるのだが、サムはそれまで良いプレーをしていただけに残念だった...。交替で入った宮園も積極的なチェイシングで前線からプレッシャーをかけ続けて、セレッソへ再び流れを引き戻すべく懸命のプレーを披露。

終盤はタカと純を中心に大阪桐蔭の攻撃をゼロ封したが、セカンドボールを拾われ、カウンターから危険な場面を何度も作られた。特に終了間際のループが僅かにゴールバーの上に逸れたのは本当にラッキーだった...。内容的には勝ち点1を分け合ったというよりも、勝ち点3を奪われかけたという印象の方が強かったように思う。

他会場では神戸ユースが奈良育英に、野洲がガンバユースに完勝。これによってセレッソは3位へと順位を下げた。神戸が得失点差を稼いだこともあり、1部リーグ優勝には野洲に勝って神戸の敗戦を待つという状況。他力を願うよりも、割り切ってプリンスは残り3戦、3連勝するぐらいの感覚でいたほうが良いのかもしれない。確実に高円宮杯に出れたほうがとは思うものの、選手の成長にとっては、厳しい戦いを経験することが大きなプラスとなる。難しいことは考えずに、来週の野洲戦に良いサッカーをして勝つことを考えて、この一週間で良い準備をしてほしい。

今年のチームが志向するサッカーは、神戸戦での野口が入ったあとのパスサッカーなのだろうと勝手に思っている。今は、個々の選手の「何とかしなければ」という想いはピッチから凄く伝わってきている。あとは、その想いを共有してひとつにまとめることができればもっともっと強くなれるし、目指すイメージを1試合通してピッチ上で表現できるようになっていくはず。


ただ前を向いて、プリンスリーグを完全燃焼してほしいと思います。

頑張れ!セレッソ大阪U-18!!

*1:相手DFにもイエローが出ていて何が原因だったのか分からなかったのだが...