クラブユース選手権関西大会(6/20、21)

8月にJヴィレッジで開催される全日本クラブユース選手権(U-15)、関西6代表を巡る戦いもいよいよ佳境。土、日と連勝すればベスト4、すなわち全国大会への出場が決定する。一方、負けた場合もそこで終わりではなく、順位決定トーナメントに回って第5、6代表を争う。


【6/20(土)】西U-15 vs 神戸FC @サンガタウン城陽人工芝グラウンド

ベスト16の相手は兵庫県大会1位通過の古豪、神戸FC。直前の津守U-15敗戦の報を受け、油断することなく高い緊張感で臨んだ一戦。

 GK: 有井
 DF: 岡山、坂手[CAP]、河面、岡田武
 MF: 南、天野、正條(→吉永)、竜田、平田(→萩原)
 FW: 長谷川

立ち上がりから申し合わせたかのように、神戸FCが引き、西U-15ポゼッションを支配する展開。西U-15はワイドにボールを動かしながらチャンスを伺う、いつも通りのサッカーを披露。試合が止まれば互いにプレーの確認を行い、精度を上げながら少しずつ相手を押し込んでいく。

前線では1トップの長谷川と天野・正條の両ボランチの間で、平田が巧みにボールサイドにサポートに入り小気味良くショートパスを繋ぐ。両サイドはスピード豊かな突破に長けた南と、昨年は攻撃的ボランチとして活躍した竜田が縦へと積極的に仕掛けていく。そして、そこに昨年は2列目でプレーしていた攻撃的SBの岡山と岡田が絡んで有機的な攻撃を展開していく。先制点さえ取れれば大勢は決する、と思われる内容だったのだが...

対する神戸FCは、「前半は我慢や!我慢!」という言葉がピッチ上で飛んでいたように、リトリートした状態から時折カウンターで西U-15ゴールを脅かしてくる。そして、試合は相手の思惑通りのカタチで動いてしまう。ペナエリア内右サイドから放たれたシュートを有井がファインセーブ。しかしこぼれ球を繋がれ、最後は左サイドほぼ角度ゼロから放たれたシュートがゴールに吸い込まれる...その後もポゼッションは支配するものの、前半は0-1のまま終了。

後半も前半と同様に西U-15がポゼッションを支配する展開。時間の経過とともに少しずつピッチ上の選手には焦りだした様子も見え始めたが、芳賀監督は自分達のサッカーをキッチリやり切るよう、的確かつ冷静に指示を送る。一方で、正條に変えて吉永を投入して中盤を再度引き締める。更に、平田に変えて怪我明けから合流直後のストライカー萩原を投入、チーム1の決定力に賭ける。

しかし、チームとしてプレースタイルを変えてパワープレーに入ったのは、残り5分を切った本当に終盤に入ってから。結局、0-1のまま悔しい敗戦となってしまったが、ボールを動かすことで相手も動かし崩していく、西U-15のサッカーを貫き通した。そして、このサッカーを続ければ個としてもチームとしても大きく成長することができる。この試合に敗れてはしまったが、観ていてそう感じられるサッカーを繰り広げていたと思う。

西、津守ともにベスト16で敗戦を喫し、いきなり2チーム同時の全国出場の可能性が消えてしまったのは予想外かつ痛恨の出来事。しかし大事なことは残り最大3試合の中で何を掴み、成長できるかということだと思う。決して楽なことだとは思わないが、2チームとも頑張って今大会を戦い切ってほしい。


【6/21(日)】西U-15 vs 大阪セントラル @アクアパルコ洛西浄化センター球技場

でーたけさんの車に乗せていただいての移動中、なかなかU-12の結果が届かず「これはPKまで行ってしまったな...」と昨日の悪い流れから不安がよぎる。結果、PK戦を制してベスト8を決めたことが分かってひと安心。今日は全てのカテゴリーで良い結果が得られると信じて...

1日明けての順位決定トーナメント1回戦。選手達の表情と「選手達は大丈夫です!切り換えてます!」とおっしゃっておられた芳賀監督、金・不老両コーチの言葉にひと安心。しかしピッチはボロボロ&ボコボコで昨年よりも酷い状態...第一試合の京都U-15が苦戦する様子を観て、今日も楽な試合にはならないのだろうなと...

 GK: 有井
 DF: 吉本、坂手[CAP]、河面、岡田武
 MF: 岡山、天野、正條、南
 FW: 長谷川、萩原

ピッチコンディションからか、スタートからフィジカルの強い萩原を起用。そして右SBには吉本がスタメンに。土曜日は出番が無かったが、ベンチからピッチ上の仲間を鼓舞し、「戦って」いた彼の起用はこの試合でチームにとってプラスに働いた。

試合は京都U-15 vs 神野FCと同様、セカンドボールの支配が戦況を左右する展開に。大阪セントラルは神戸FCとは異なり、ラインを下げ過ぎずコンパクトなサッカーを狙う。セントラルにとってはいつも通りのサッカーだったのかもしれないが、ルーズボールへの対応という点で効果的だったように思う。

西U-15もベースのスタイルが大きく変わったわけではなかったが、ショートパスを多用するよりも、ワイドな展開や最終ラインからのフィードがいつもより多かったように思う。ディフェンスでは1、2度サイドを破られた危ない展開もあったが、チャンスの数は西U-15。なかなか決定的なフィニッシュには持ち込めなかったものの、前半から多くのCKを得てチャンスを量産していく。

そして待望の先制点は左CKから。中央で跳ね返されたボールを、ペナエリア手前に位置していた天野がループ気味のヘッド。これがクリアのあと前目のポジションとなっていた相手GKの頭上を越えてゴールネットへと吸い込まれる。先制点のあとも緩むことなくボールを支配する展開のまま前半終了。

後半も中盤を越えると、時間とともに大阪セントラルが同点ゴールを目指して西U-15陣内へと押し込んでくる。しかし苦しい時間帯でもボランチの天野、正條がセカンドボールをきっちりケアして高い位置でボールを奪うと、長谷川が前線でボールを収め、萩原がスペースへと飛び出す。更に2列目の岡山と南、SBの岡田武瑠と吉本も積極的にサイドのスペースを突いていく。

前日の試合で手を負傷した正條だったが、この日は運動量が落ちることなく中盤で存在感を発揮。萩原はカウンターから決定的なチャンスもあったが、合流後初のフル出場で体力的にキツかったかな?しかし、このチームに「爆発力」をもたらすのは間違いなく彼だと思うので、次の試合では期待しています!(でも怪我だけは気をつけて...)

終盤は1点を目指すセントラルのプレッシャーを受け止める時間が続く。しかし、カウンターから左サイドを突破した南(だったと思う...)がグラウンダーのクロス。相手GKがキャッチしたと思った瞬間、ボールは手元からこぼれ落ちる。そこにきっちり詰めていた岡山がいち早く反応、最後は歓喜とともにフリーでゴールに流し込んだ。

試合はこのまま2-0で終了し、残りの2試合に望みをつなぐことに成功。残り2連勝で全国へ。しかし、津守も順当に勝ち上がれば、決定戦はセレッソ同士が1つの枠を争う戦いとなる。3年前にも同じシチュエーションがあったが、本当に辛い試合だった...それでも、今は、日曜日にこの試合をアスコ・ザ・パークで実現してほしい。こういう試合を経験することで、今年のU-18の3年生のように大きく成長していってほしいと思います。

そのためにも、まずは土曜日。西U-15は津守を倒したKONKO.FCが、津守U-15は西を倒した神戸FCが相手となる。互いに兄弟のリベンジを果たして、日曜日の代表決定戦に駒を進められるよう、この1週間で互いに良い準備をして試合に臨めるよう期待しています。