vs 湘南ベルマーレ @平塚陸上競技場

前節の首位返り咲きの3日後に迎えた首位決戦。このようなゲームを制していくことがJ1昇格に向けたターニングポイントになっていくはず。平塚陸上競技場でのアウェーゲームは、勝ち点3取れの歌が即興でできた2002年の試合を除いて良い印象がない。

前半はセレッソペース。湘南ディフェンスがセレッソボランチとサイド、特に石神への対応が曖昧だったこともありボールを支配する展開。セットプレーから江添のどフリーのヘッド(バー直撃)や、左サイドの崩しからシンジのヘッド(叩き付け過ぎてバーの上を通過)など超決定機をモノにできなかったのが痛かった。シンジの決定機逸の場面に往年の8番の面影を重ねてしまったのは自分だけだろうか...

そしてカウンターからジンヒョンとの1対1を流し込まれて先制を許してしまう悪循環。J2では群を抜いた選手構成のおかげでポゼッションは支配しているものの、局面によって「繋ぐパス」と「チャレンジパス」の区別が出来ていない。このためにビルドアップの横パスを掻っ攫われたり、アタッキングゾーンで繋ぎすぎたりといったチグハグな場面があったのは残念だった。

後半は、8人で守備ブロックを形成し、前半は曖昧だったサイドへの対応を中心にディフェンス面が整理された湘南に対して、実質的には何も出来なかった45分。ポゼッションは支配しているものの、率直な印象として「持たされている」感が強かった。ヒラジ、ルイルイの同時投入で4バックへ移行したが、選手間の距離感や役割が曖昧になる悪循環。この流れの中でシンジと乾の存在感が、次第にピッチ上から消えていく。FKやCKではゴールへの期待が高まったが、得点に結びつけることはできず0-1のまま試合終了。個人的には正直ドローでも充分と思っていたのだが、湘南に勝ち点3を与える厳しい結果となってしまった。

この試合で効果を挙げられなかった4-4-2は、練習の中できちんと整理されていたのだろうか?特にシンジや乾の役割が曖昧となって、湘南としては怖さが少なくなったようにも感じられた。第一クールとはいえ、後半は首位決戦と銘打った試合の内容ではないというのが率直な感想。トップに当ててサイド、またはサイドで作って中央勝負といったバリエーション豊かな攻撃を展開したいという漠然とした目的はあるのだろうが、プレーに意図が感じられたのは正直ヒラジぐらいだった。マルチネスや濱田は比較的前を向いてボールを受ける場面も多かったが、人もスペースも消されて出しどころがないという状況。反町の術中にハマった感の強い、組織力の差を見せつけられた現地観戦でした。

チョットだけ試合後のこと。今日のような試合ではひとりひとりの感じ方は様々で、ブーイングとか叱咤激励とか人によって表現は大きく変わってくるのは当たり前のこと。チームを愛してる限りにおいて、その個々の表現を否定する権利など誰にも無いと個人的には思いますが。

あとチョット思ったのは、先制されてからのサポーターの「追い込まれた感」が選手に与える部分。「落ち着けー!」と叫ぶ声が悲壮感いっぱい、みたいな感覚。チームを愛するがゆえの声だというのは重々承知しているし、ユースでは自分も同じことをしてしまうことがある。ふと、昨年のJユース杯決勝で同点に追いつかれた後の自分も、きっと同じ状況だったのだろうなと思ってしまったので。あの日も、その後のピッチ上のプレーは決して悪くなかったのに、「ヤバい」という感情のフィルターを通してゲームを捉えてしまっていたことを後悔しているので。ハートは熱く、しかしクールに、今以上に客観的にゲームを捉えられるようになっていかないと...

明日はプリンス、ガンバユースとの大一番。僕らには、負けを引きずっている暇はない。