久しぶりの数理物理

休日の開いた時間を利用して、遅々とではあるが本を読み進める毎日。一月ほど前までは、この本あの本を通じて非平衡熱力学の基礎的な内容を楽しんでいたが、ちょっと趣向を変えてみようと思い、6月からこんな本を読んでいる。
「専門は数理物理(だった)」などと見栄を張って言ってしまうこともあるが、研究対象として数理物理にまともに取り組んだ時期は非常に短い。数学科の講義で6-vertexの話を一通り聴講したとか、BEC絡みでLiebの論文を唸りながら読み進めるも結局良く分からなかったとか、そんな程度。院に進学する前後は、q-直交多項式とかその応用である非対称排除過程(俗に言うASEP)にかなり関心がシフトしていたが、結局自分の専門とするほど深入りはしなかった。
で、今は趣味でこの本を読み進めているわけですが、これがなかなか楽しい。ただし、決して易しい本ではないので、全力で頭と手を動かさないとなかなか先へは進めない。3時間も向き合うと脳がクタクタになるという感じ(この感じがまた悪くはないのだが)。計算をフォローしながら真面目に読むと一日に進められるのはせいぜい15ページ前後。もっとも読んだ内容を一回で全て理解できるわけではないので前後しながら遅々として進まずと言う状況。さらに今は実質週末しか読む時間(ゆとり)がないので、これまで読んできた内容を振り返るのにまた時間がかかる。
でもまあ、大学で勉強(研究)するって大体こんな感じ。仮に1日15ページのペースできっちり読み進めることができれば半月で200ページ近い分量を読破することになる。(専門書の質にもよるが)これだけ読めば一つの分野は大体カバーできたことになってしまうが、なかなかそう上手くはいかない。1つの式に丸々1週間費やすこともあるだろうし、途中まで読み進みながらも結局理解が足りず最初から読み直すこともあるだろう。なかなかまとまった時間は取れないが、今はこういう過程を辿る時間が楽しい。毎日が完全な自由時間だった学生時代は苦しかった。
休日はこんなことやセレッソばかりとなっているために、会社が推奨するところの自己研鑽は全く疎かになっている今日この頃。結局は積極的に駄目人間やってます、というところだが、それはそれでエエかなと。