開港150周年記念

自主的安息期間などと宣言した後に風邪を引いてしまい、宣言とは関係なく休日は家で大人しくすることとなってしまった今日この頃。そういえば、昨年も一昨年も、この時期は体調崩していたような気が...

2週間ほど遡ってU-18のサテ戦。U-18の守備が安定している中での1-0勝利は、想定の範囲だったので驚きではなかった。むしろ、個人的に年に1回はU-18の好ゲームを見逃すのが定番となっているので、駒場で関東プリンスを観ながら「今日はU-18勝つんやろうなぁ」とか思ってたし...

ユースの選手達がそのチカラをフロントに対して目に見えるカタチで証明した。このことがセレッソの未来にプラスとなることを願ってやみません。そしてサテの選手達にはもっと奮起してほしいと思います...

一方、サンライズリーグでの西U-15vsガンバ。「凄い」「嬉しい」とか言葉は色々出てくるけど、「観たかった...」以上の言葉は無いかもしれない...養和のサッカーに昨年の柏、FC東京と同等かそれ以上のインパクトを受け、「大きな収穫」と感じながら帰宅の途についていたが、完全に吹き飛ばされてしまいました...

そしてトップ。アキの初出場に今期初ゴール、更にはシンジと乾がホームで2試合連続ハットトリックとか、傍から観ていて物凄く楽しそう。しかし、体調不良な人間が多少無理して関西に行くのが躊躇われてしまう、そんな社会状況になるとは思いもよらなかった。今後のプリンスリーグやU-15クラ選関西大会など、育成組織として大事な試合を迎える時期なだけに非常に気になります。


話は変わって、最近、NHKニュースや他のメディアでも多く取り上げられている横浜市立 横浜サイエンスフロンティア高等学校。昨年から噂は聞いていたが、横浜市が開港150周年記念の目玉として100億円近い予算を投入して設立し、豊富な実験設備と一線級の科学者をアドバイザーに据えた学校として話題となっているようだ。以前から文部科学省が指定した「スーパーサイエンスハイスクール」というものもあるが、ひとつの高校にこれだけ本格的に予算を投入したケースは恐らく初めてなのだろう。もし、自分が中学生の頃に、地元にこんな高校があったら絶対行きたいと思っただろうな...

ざっとHPを観て、スーパーバイザーの和田昭允氏の挨拶が良いなと感じた。自然科学を学ぶあたって、ハードの充実以上に「徹底的に議論のできる文化の熟成」は重要なポイントとなるだろう。大学でも、コーヒー片手に雑談の盛んな研究室は多く、こうした議論や情報交換から新たな気づきがあり、また共同研究が始まることもある。そういえば、自分が学生のときに、隣の研究室が部屋のレイアウト変更でサロンのスペースをどこに設けるかかなり重視してたな。他人と有意義な議論ができることは、分野によらず科学者としての基礎的な素養といえるかもしれない。そしてディスカッションは外国人と較べて日本人が苦手としている、と言われているところでもあったりする。

民放の特集では、学校設立を推進した担当の人が、投入した税金に見合った成果を出さなければならないという趣旨のコメントを残していた。しかし、何をもって成果とするかは自明ではない、難しい問題のようにも思われる。「3年後の成果」という言葉も出ていたので、大学進学実績をひとつの成果項目として観ているのかも知れない。個人的には、知的好奇心の刺激と学力の向上は正の相関を持つと思っているので、進学実績を近視眼的な指標とするのもアリなのかな、とも思うのだが...

ところで、上述のように日本人は議論が苦手といわれることがあるが、これは学力の高低によらず一般にあてはまることのようだ。会社でも、しばしば「若い奴は国語ができない」という上司の愚痴を聞く(そして自分も面と向かって言われた(≒怒られた)...)ことがある。議論が苦手な理由として、日本人は論理的に自分の考えを表現する技術を学んでいないからであり、欧米では「言語技術」として母国語教育の中で当然のように習得しているところに大きな違いがある、とも言われている。最近では、JFAでも育成年代の選手育成プログラムに言語技術を取り入れ、選手間のコミュニケーション能力の向上を図るといった活動を行っているようだ。

そして、今日も自分が仕事で最も苦労するのはロジカル・コミュニケーションに関わる部分。決して科学者やサッカー選手に限った話ではないよな、などと思いながら過ごしていく今日この頃。