プリンスリーグU-18関東 三菱養和サッカークラブユース vs 矢板中央高校

第二試合は、個人的に今年も注目するところの三菱養和と、今年1部リーグに昇格した矢板中央高校による一戦。

三菱養和サッカークラブユース
GK:原田1
DF:大野5、中村3、内堀4、早川2
MF:近藤15、玉城10、中垣内6、田中8
FW:佐藤19、木村9

矢板中央高校
GK:三浦1
DF:阿部8、須藤2、柴田14、渡辺(光)16
MF:益子(義)5、渡辺(裕)6、益子(直)9、島野19
FW:堀越10、中田11

※キチンとメモっているわけではないので(以下略)は、第1試合と同様です。


前半、養和のパスサッカーが矢板中央を圧倒。1トップ気味に最前線に張る木村9のポストプレーに次々と選手が飛び出し、テンポの早いショートパスとドリブル突破で仕掛けてくる。狭いスペースでも積極的に仕掛けてくるところはFC東京と同様。セレッソ大阪U-18で中谷監督が標榜している「ダイレクトに繋いでいくサッカー」は、これらのサッカーのイメージに近いのかも知れない。個々の選手の能力が平均して高いのも養和の特徴だと思っているのだが、特に目を引いたのは8番、9番、10番の3人。田中8は積極果敢なドリブル突破で左サイドを脅かし続けた。また、彼をサポートする早川2も縦への推進力の高い選手で、特に前半の左サイドの攻撃は率直に面白かった。木村9は高いフィジカルで最前線にボールを納めるだけでなく、足元の技術もありディフェンスでもよく走る。個人的には、広島ユース時代の中野裕太(今日、横浜FCでスタメン出場していたみたいですね)に似た印象を持った。ゲームキャプテンの玉城10は技術と豊富な運動量を兼ね備えたボランチ。良くゲームをコントロールしている、という感じだった。更にこの日は世代別代表の2人が欠場していることを考えると、少なくともJクラブユースと同等以上の存在なのではないかと...

対する矢板中央は押され気味の展開の中、縦へと蹴りだす時間が続く。堀越10の突破などから何度か養和ゴールに迫ったが、決定的な場面は前半半ばにあったゴール左上にコントロールされたミドルシュートぐらいか。緊張からかピッチ上の声は少なく、ピッチ外の監督の声ばかりが響くどこかぎこちない展開。内容では養和が圧倒するものの、決定機を決めきれなかったことと矢板中央のディフェンスラインが集中して対応できていたこともあり、前半はスコアレスのまま終了。

後半も開始は養和ペースで入ったが、中盤以降は矢板中央の時間が増えてくる。チャンスを逃し続けた養和の焦りもあったのか、最終ラインのパスミス矢板中央のFWが奪ってシュートに持ち込む決定的な場面や、セットプレーから相手を押し込む時間帯が終盤に多く観られるようになっていった。チームに流れが出てくると積極的に声が出始め、ピッチ上では両チームの大きな声が絶えず飛び交う緊迫した展開に(ただ、矢板中央には味方のミスを諌める声が結構多く、前向きな内容のコミュニケーションであればと残念に感じた部分もあった...)。養和としては木村9を交代させた後、前線にボールが収まる回数が減ってしまったことも押し込まれた一因となっているようだった。

ロスタイムまで緊迫した場面が続いたが、結局双方ともゴールを割ることができずに0-0のまま試合終了。養和としては前半の時間帯に1点でも取っておけば勝ちきれた試合だっただろうし、矢板中央にとってもDFが凌いで得た終盤の時間帯に1点取って勝ち点3が取れていれば、という思いが強かったかもしれない。

今年の高円宮杯の関東出場枠は「7」。単純計算では1部リーグ14チームの中の半分が出場できるという状況にあり、今年昇格チームを含む全てのチームにとって7位以内は現実的な目標となりうる。また、クラ選枠やインハイ枠で更に出場チーム数が増えることを考えると、たとえ下位であってもひとつでも上の順位にいることが重要となってくる。この意味で双方のチームがこの勝ち点1をどのように捉えているのかは、個人的に非常に関心のあるところ*1


そして来週はプリンスリーグ関西が開幕。セレッソ大阪U-18が関西連覇を目指して戦う熱い日々が始まる。

とかなんとか書いている間にトップは甲府とドローで連勝ストップ。いずれは止まることなので、個人的にはそれほどガッカリしてはいない。重要なのは、この次の試合(しかも仙台とのアウェーでの直接対決)でどのようなサッカーができるかということ。セレッソは来週、U-18だけではなくトップチームも今シーズン最初の正念場を迎えることになる。

*1:地域枠が「2」となり、1部優勝の1枠を得られなければ順位決定トーナメントで6分の1を争う関西と較べると正直羨ましい限り。しかし、こればっかりは(色々思うところはあるものの)明確な基準に基づいて割り振られているので愚痴を言っても仕方ないしな...