JリーグDivision2 第5節 vs 愛媛FC @ニンジニアスタジアム

前日の土曜日、大阪での友人の結婚式に出席したのち、翌朝ぽ号に乗せていただき一路松山へ。3月末とは思えない寒さだったが、花粉さえ飛散していなければ大概のことは多めに見れてしまう季節。上位対決で盛り上がっているかと思いきや、スタジアムへ集まる客足ものんびりしたもので、殺伐とした東京での時間の流れと対比するかのように時間がゆったり流れていて、自分のような田舎育ちの人間にはエエなぁと思えてしまう。美味しいじゃこ天をほおばりながらスタジアム周りを散策し、毎年J村でお会いする愛媛サポの方に遭遇できたりと、試合前は極めて平和な時間。

試合。いくら代表戦メンバー外とはいえ、当日合流のシンジを迷いも無くスタメンに据える小豆経営者の起用法に疑問を抱くものの、当人は疲れを感じさせないプレーを披露。トップフォームとは言えないまでも、前回味スタで観たプレーよりは良くなっており、精神的な部分の持ち直しが大きいのかなと感じられた。

前半、チームとしては悪くはないし、むしろ連携面では昨シーズンと較べて観ている側の感じる安心感が違う。対する愛媛もチームとしての質は高く、J2リーグのレベルの向上が感じられる試合内容。何度か危ないシーンもあったが、安定したジンヒョンの対応もありゴールを割らせない。全体を通してポゼッションはセレッソだったが、攻守の切り替えが早く守備意識の高い相手に苦戦。立て続けにCKを奪い続けた時間帯もあったが、もっさんがおにぎり畑にしっかりと鍵を掛けており踏み荒らすことができない。前線3人+マルちゃんによるセンターからの崩しも、その後サイドに展開してからの両WBによる崩しもしっかり対策されており、今後はもう一工夫必要になってくるかもしれない。といっても、攻めあぐねたのは愛媛の質の高さによる部分が正直大きかった。

後半。ここ数試合、というか監督就任してから試合中は完全に沈黙していた小豆の人が遂に動く。江添に変えて濱田を投入し、羽田をセンターに下げる。直後には集中が切れ気味だったシャケに変えて平島を投入。ヒラジの投入は単にシャケのガス欠が理由だろうが、濱の投入は完全に戦術的理由によるもの。しかも中盤の構成力を高めることに成功し、それなりに流れを引き寄せたといえる采配。個人的には、この試合における最大の驚きだったw

引き寄せた流れの中ではあったが、得点そのものは完全な個人のチカラによるもの。シンジがDF3人を相手にドリブルで仕掛けて綺麗に突破し、最後はもっさんが右腕を懸命に伸ばすも届かず、遂におにぎり畑の制圧に成功。「ドリブルのコースがバシーッと見える」というのはきっとこういう感じなのだろう。最近は、悩み多き少年とでもいうような顔が多かったが、ゴール後のシンジの笑顔は非常に良かったな。その後、愛媛はよりいっそう前掛かりとなり、前田の無念の負傷交代もあったものの代わりに入った康太がしっかりと役割を引き継ぎ、1−0でクロージングに成功。いつ以来とか全く記憶にない開幕5連勝を達成。苦しみはしたが負ける気はあまりしなかったし、先制したあとは危ない場面もあったが、観ている側にも集中できている感じがあったので大丈夫かなと思って見ることができた。やっているサッカーの内容は違うが、2005年の後半戦に近い心境なのかもしれない。もちろん自分の捉え方の壮大な間違いの可能性も多分にありますが。

チームとしても個人としても課題はあるのだろうが、相手の愛媛のサッカーが非常に良かったことを鑑みると、ここでどうこう言うことでもないのかなと感じる。率直に、愛媛のサッカーは、現時点でチームを作り直している段階のJ1チームよりもよっぽど面白い。昔はJ2のサッカーといえばベタ引きでカウンター主体の面白くないサッカーという印象があったが、今はカウンター主体でも当時とは意図も精度も大きく異なってきている。チーム数が増えてリーグのレベルが...という話を聞くこともあるが、ことJ2に関してはここ数年で個々のチームレベルは上がっているといえるだろう。

試合後は松山空港より空を攻めて羽田へ。家に帰って鏡を見たら肌の弱い自分の顔は真っ赤に。一日中曇り空だったのに紫外線はキッチリ浴びていたということか。プリンスが開幕したら気をつけるようにしよう...