和歌山U-15設立

噂も何も全く知らなかったので、このリリースには正直驚いた。カイオのレンタル延長が脳内から吹っ飛んでしまうくらいにw

Jクラブの無い和歌山でセレッソの育成組織が本格的に活動を始める意義は大きいと思う。中谷さんも、昨夏にはホセ*1とともに和歌山で指導を経験したりと具体的な活動を積み上げているようなので、確信があっての設立と信じたい*2。あとは地元の街クラブや中体連との関係を構築できるかで、和歌山という土地にセレッソが根付くことができるかが決まってくる。和歌山U-15の今後の展開には、素直に期待していきたいと思う。

別の観点から気になることがあるとすれば、組織の拡大による影響かなと思う。大企業病のようなもの、といったら言い過ぎかもしれないが。U-15世代で言えば、津守U-15しか存在しなかった時代と較べて必然的に1チームからU-18へ昇格できる人数が少なくなるだろう。U-18への昇格の難しさのために、自らが将来トップチームでプレーするということを、U-15やその下のカテゴリーの選手がイメージすることが難しくなってしまうかもしれない。

話はちょっと逸れるが、自分が所属する会社は近年社員数が急激に増加している。昔に較べて優秀な学生が入ってくるようになったが、その一方で昔のベンチャーっぽい風土が薄れつつあることを上の人間は懸念しているようだ。組織が大きくなると仕事は細分化されトップは見えにくなり、結果として青臭い理想を持つことが難しくなってしまう。頂点の見えにくい大組織は、ともすれば個々人の可能性を埋没させてしまう危険性を孕む。

この意味で、大きな組織というのは常に矛盾を抱えた存在といえる。経済原理だけに従う会社組織であればこのような議論をする必要は無いのかも知れないが、育成を目的とした組織であれば直視する必要があると思う。育成の範囲が広がることは全面的に賛成だが、個々の選手に目が行き届かなくなるようだと本末転倒なのでじっくり腰を据えて活動していってほしい。もっとも、基本的には現スタッフに対する信頼の度合いは高いので、杞憂だと思ってはいるのですが。

今回の和歌山U-15設立。じっくりと、地に足をつけて進めていってほしいなと思います。

*1:古橋のことではない。

*2:サッカー批評か何かの雑誌で読んだ記憶がある。