プリンスリーグ関東 東京Vユース vs 市立船橋 @ヴェルディグラウンド

クラ戦の組合せが決定。セレッソ大阪U-18の属するグループBは、横浜FM、東京V、札幌との対戦。「死のグループ」などと言われているらしいが、逆に戦り甲斐のあるグループと思えばより一層燃えるというもの。そんなこともあり同グループの東京Vユースを観によみうりランドへ。本部長の説得が無ければ無理して長居に行っていたところだったが...

プリンス関東パンフ売り切れ?で詳細なスタメンは分からず。ざっとググッた限りではこんな感じか。ボランチ2枚の典型的な4-4-2。2人の高木選手は、かの高木豊プロ野球選手の息子らしい(自分も昔は野球好きだったので、現地で息子を見守る当人を見たら感慨深くなってしまった面も...)。


FW:9高塚捺生(→13久利研人)、11真野亮二(→35?)
MF(2列目):14高木俊幸、15?(→41山浦新)
MF(ボランチ):33高木善朗、2高橋祥平
DF:7?、4平智広、34キローラン木鈴(→17?)、20?(→37小林祐希
GK:1本田大雅


前半、支配率は東京Vも、市船の組織的な守備もあり細かい繋ぎはあまり見られない。最終ラインから11番、9番へ楔(というか放り込み)を入れ、セカンドボールを拾ってワイド(ほとんど左)への展開を狙う形が多い。ボランチがビルドアップに絡む場面はほとんど無く、33番が最終ラインまでボールを貰いに下がる程度。

しかし2トップの身体能力の高さもあり、そこそこ前線にボールは収まる。特に11番はポストアップだけでなく良い感覚でDFラインの裏も狙い、ドリブル突破から一気にフィニッシュまで持っていく危険な存在。また、全体的に個の能力が高く、特に前線の4人は1対1の仕掛けに積極的で躊躇いがない。この辺は良い意味で伝統のあるヴェルディらしいところと言えるのだろうか。

サイド攻撃は、左サイドを14番に7番や33番が絡んで崩していく場面が何度か見られた。ワンツーで前を向いてボールを受けたらそのまま1対1、もしくはアーリー気味にクロスを上げてくる形。右サイドは15番が中へと絞り攻撃時には3トップに近い形となるものの、結果としてサイドのスペースが有効活用出来ておらず、前半の停滞の原因のひとつとなっていたように見受けられた。右で特徴的だったのは、20番のロングスローぐらいか。

流れの中での決定的な場面は左サイドの崩しか11番の裏への飛び出しが大半。いずれも得点には繋がらず。

  • 11番の裏への飛び出しから市船GKと1対1シュート
  • セットプレー後の流れから、14番のアーリークロスをファーで2番がヘッド
  • 4番→11番の楔を15番が受け、ドリブルで持ち込みシュート
  • 14番のアーリークロスをファーで9番?がヘッド

一方、セットプレーは要注意。9番、4番、2番、34番と上背の高い選手が揃っており、プレースキッカーの33番も良いボールを入れてくる。この試合では得点に結びつかなかったが、クラ戦のような短期決戦ではセットの1発が大きな意味を持ってくるのできっちり対応したい。

ディフェンス。最近ではおおよそどのチームも同じだが、最終ラインに対しても積極的にプレスをかけてくる。SBを基点に組み立てたい市船と、そこを押さえにかかる東京V。しかし、最終ラインを突破されバイタルエリアまで運ばれると苦しいか。この試合を通して市船の10番を中心に決定的な場面が何度か見られた。

先制したのは市船市船の左SB2番の前線へのフィードに10番が反応。東京Vも20番、34番など3人近くが反応したが対応が中途半端となり突破を許す。そのまま東京Vの右サイド深くに持ち込み、最後は市船9番が合わせる。ポゼッションは支配されたものの、市船にとっては狙い通りの前半45分だったのだろう。一方の東京Vは、決定的な場面は何度か作ったものの、全体的にボールが回らず、やり難そうに感じられた45分。


後半、東京Vは20番に換えて37番、15番に換えて41番を投入。37番はボランチに入り、33番が右SBへ。この交代により試合が一気に動き出す。41番はまだ華奢な体格も、右サイドでボールを受け危険なスペースへとスルーパスを供給しリズムを作る。玉離れが早く、自身のスペースへの動きも良くて視野が広い。個人的に好きなプレースタイルなだけに、対戦相手としては非常に嫌な印象。

加えて37番。この試合ではボランチに入ったが攻撃面に特徴の強い選手。パスセンスと前線への攻撃参加で東京Vの攻撃を活性化。後半開始後間もなく、2番→33番への左から右へのチェンジ、33番からの右サイド前線へのフィードを飛び出した37番が受け、PA内へスルーパス。これを受けた11番がキッチリ決めて1-1同点。

更に41番のパスを市船陣内中央で受けた37番がスルーパス。今度は途中交代で入った13番がGKとの1対1を制し2-1と逆転。その後は暑さからラインが間延びしたこともあり、メンバーが攻撃にシフトした東京Vと同点を目指した市船のカウンター合戦。ただし、攻撃が機能し出した東京Vの方が危険な場面を数多く演出できていた印象。市船は選手交代で活路を見出すも、最終的には10番に依存したサッカーに終始。東京Vがキッチリ逃げ切り、プリンス5位以内を確保し高円宮杯出場権を獲得した。

関西のようにJクラブと高校で力の差が存在するのとは異なり、市船や次の試合でレッズと対戦した三菱養和のレベルがJクラブと遜色なかったことから、関東プリンスのレベルの高さを感じることができた。このリーグで上位に立つ東京Vや横浜FMは、決して易しい相手ではない。

といっても、決して適わない相手とも感じなかった。東京Vの11番は能力が高いが大塚翔平ほどではない。ドリブルに長けた選手が多いといっても、宇佐美ほど爆発力のある選手も存在しない。そして戦術・組織力、チームとしての一体感はセレッソのほうが確実に一枚上手。セレッソの良いところを全部出し切れば絶対に勝てる相手だと思う。今年の3年生にとっては、中学3年生のときにU-15クラ戦ベスト8で阻まれた相手。昨年のマリノスといい、まとめてリベンジする機会を与えられたと言う意味では最高の組み合わせ。最高の準備をして、最高のコンディションと精神状態で全国に乗り込もう。

昨年、Jユースカップのベスト8で大宮に敗れた後に螢が残した言葉。
「来年はタイトルをすべて取りたい」
簡単なことではないが、実現できるだけの積み上げが出来ている。一つ目の全国タイトル。一戦必勝。Jヴィレッジで、これ以上無いという程に熱く燃え上がろう。

頑張れ!セレッソ大阪U-18!!