人間力はどこまでも低い

久しぶりにプレプリントサーバーをうろうろしていて、ふと「昔、自分の書いた論文はどれだけ引用(citation)されているのだろう」と思い、検索開始。個人ではWeb of Scienceも使えないので、キーワードを入れてひたすらググる...なんてことをやっててふと自分の卑しさに気がつき、凹む。たまに早く帰っても(といっても会社を出たのは8時半)、ろくなことをしていない自分..._| ̄|●
ググって確認できたのは3件(もっとあるかもしれない、と思いたい)。多くはないが、そのうち一件は最近Publishされた論文であり、まだ世界のどこかで自分の論文が読まれていると思うと不思議な感じ。
学生時代、この論文のテーマに着手したのは、就職することを決めてからだった。学部までは結構すんなり進んできたが、大学院に入ってスランプに陥り、ローゼの一歩手前まで行って「このままではアカン」と思い、一時期意図的に物理から離れることにした(このとき、半分冗談で就職活動をした結果、今の生活につながることになるですが...)。
就職を決心した後「どんな些細な結果でも良いから何か足跡を残して終わりたい」と思い、半年間試行錯誤した結果、この論文につながった。着想が湧いて「最後まで計算し切れる」と思い立ってからの一週間は、食事のとき以外はひたすら計算した。行き帰りの電車の中でも計算していたし、続きの計算をする夢で真夜中に起きたりもした。多分、あの一週間は、もう二度とないかもしれない、これまでの人生の中で最も濃密な時間だったのだと思う。
もっとも、結果自体がたいしたものではないことは僕自身よく分かっている。しかし、自分にとっては(おそらく)最初で最後の物理の論文なので、愛着は強い。
自分は、(研究/物理に関しては)この論文を思い出に生きていくことになるのだろうが、濱ちゃんとか御給とかは、まだセレッソでの一瞬の輝きを思い出にはしないでほしい。今年トップに上がれないU-18の三年生達も、次のステージで今以上に輝いてほしいと思う(もちろんその前にJユースがあります)。
まだまだ思い出作りには早すぎる。