プリンスリーグU-18関東 浦和レッズユース vs 東京ヴェルディユース @駒場スタジアム

関西プリンスが中断期間に入ったこともあって、6月前半までは自主的安息期間に設定。関東圏内でマッタリとサッカーを観戦することに。

プリンスリーグU-18関東の第7節、駒場スタジアムでの第一試合は、ホーム浦和レッズユース東京ヴェルディユースを迎え撃つ一戦。レッズはトップとのハシゴも(ギリギリ)可能な時間設定だったが、男塾弾幕をはじめとしたいつも通りの光景。一方のヴェルディも、昨年と変わらずサポーターのコールがスタジアムに響いていた。


浦和レッズユース
       利根川[7]
 磯部[11]         ?[21]
   石沢[10]    岡田[13]
        池西[8]
鈴木[18] 岡本[6] 広瀬[20] 森田[2]
       小笠原[16]

《交代》: [7]→茸本[9]、[11]→?[28]、[21]→矢島[17]、[13]→?[24]、[18]→大里[5]


東京ヴェルディユース

   高木俊[14] 小林[10]
高木善[7]       木澤[17]
   端山[33]  三竿[20]
都並[6] 高野[3] キローラン木鈴[13] 八塚[2]
       大坪[1]

《交代》: [17]→及川[15]、[20]→窪田[12]


レッズは池西をアンカーに据えた4-1-2-3の布陣。前線にサイズの大きい選手がいないこともあり、中盤の3人でゲームを作って、前線の3人はサイドや裏のスペースを突いていくスタイルと言えそう。ちなみに、21番以降の選手が大会パンフレットからは判別できなかった。おそらく1年生の選手達ということになるのだろうか。

一方のヴェルディは、昨年同様のオーソドックスな4-4-2。しかし、小林が比較的自由にポジションを移動し、それに合わせて高木兄弟がトップと2列目の空いたスペースを流動的に埋めていく。組織としては比較的自由度を持たせて、個々人の持ち味と判断を生かすスタイルは昨年と変わらず。ちなみに、33番の端山もパンフからは判別できなかったが、サポーターのコールをもとに判断。

前半は膠着した展開。互いに高い位置からの積極的なディフェンスを仕掛けるわけでもなく、どちらかというとリスクを避けた展開。レッズは両ウイングの磯部と21番(良い選手だったので名前が分かると嬉しいのだが)の仕掛けが目立ったがいずれも単発に終わる。一方、ヴェルディの前線の4人を中心とした攻撃も、相手のゴールを揺らすには至らず。決定的な場面は、高木善の右への展開を木澤が中央に折り返し、小林が合わせた場面ぐらいか。互いにスコアレスのまま前半を終了。

後半はレッズが前線から積極的なプレスを仕掛けてきたことで、前半と一転して立ち上がりから激しい展開となる。3トップに加えて、セントラルMFの石沢と岡田が高い位置取りから積極的なプレッシングを仕掛け、奪ったボールを速いテンポでゴールへと運ぶ。特に序盤は、岡田と21番を中心となって右サイドを何度も突破してフィニッシュへと繋ぎ、試合のペースをレッズへと引き込んだ。

後半から押し込まれる時間の増えたヴェルディだったが、レッズが前掛かりになった分だけカウンターが効果的となり、ヴェルディにも決定的なチャンスが出始める。特に、高木兄弟と小林の3人は、1人で試合を決めてしまえるだけの個のチカラを持っている。高木俊幸と善朗の2人はドリブル突破に魅力があり、親譲りのスピードを併せ持っている。小林祐希は前線、中盤とポジションにこだわらずボールサイドに顔を出し、更にゲームメイクも突破もできるなど引き出しが多い。いろんな意味で、健勇と曜一朗を足して2で割ったような印象が残った選手。

後半30分を回った頃から、試合はヴェルディペースへと移行。中央左からの八塚のFKを高野がヘッドで合わせたボールは僅かにゴールを逸れ、高木善の左クロスをPA中央で受けた八塚がDFを1人交わして放ったシュートは別のDFに阻まれる。更に、高木善の右CKを小林がヘッドで合わせたボールは、ポストをかすめてゴールラインの外へ。

そして後半41分、ヴェルディの猛攻を耐えて得たレッズの左CK。グラウンダーの速いボールをニアでスルー、中央で合わせたシュートはDFに阻まれたが、こぼれ球を石沢がプッシュして遂にレッズが先制に成功する。終盤はヴェルディのパワープレーに押し込まれるが、最後まで耐え切ってレッズが1-0で勝利。Jユース同士の対決で勝ち点3の獲得に成功した。

昨年のレッズは、原口や山田直といったタレント集団が比較的自由にプレーしていた印象があったが、今年のレッズは組織としてしっかりしたチームになっているという印象を受けた。特に攻撃では、アンカーに位置した池西の配給を基点として攻撃のリズムを作っており、彼の存在がチームに与える影響は大きい。昨年のような爆発力は無いかもしれないが、昨年に劣らない良いチームになっていくのだろうと感じた。

一方のヴェルディも、負けてはしまったものの昨年同様に個の強い侮れないチーム。前述のように高木兄弟と小林は同年代ではひとつ抜けた存在。攻撃は彼らだけで出来てしまう反面、彼らへのサポートが今後の課題ということになるのだろうか。ちなみに、昨年のプリンス市船戦で観た山浦[8]はボールを動かせるコレクティブな選手という印象を強く受けたのだが、怪我などで出れていないのだろうか...