高円宮杯 関西大会を終えて

今年2度目の直接対決、観ている人間としては非常に辛い状況下での試合となってしまった。
同じセレッソとはいえ大会登録上は全く別のチーム。この日のような状況を迎える可能性は、両チームが勝ち上がり続ける限り常に存在する。むしろ、この大舞台に2チームが出場しているという事実を喜ぶべきなのかもしれない。そう納得するしかないのかもしれない。
立ち上がり、最初に決定機を作り出したのは西U-15。前日のフレスカ戦の悔しさを晴らすべく、勝利を目指す気持ちは確実に伝わってきた。しかし、西U-15にとっては残念なことに、この日の津守のサッカーは素晴らし過ぎた。彼らの全国への執念が、チームとしても個人としても最高のプレーを引き出しているようにさえ感じられた。
結果、津守U-15が西U-15を下し、高円宮杯全国大会への出場決定。西U-15はこの試合が現チームでの最後の公式戦となってしまった...
今年、セレッソ大阪下部組織における最大の成功は西U-15の躍進だろう。
西U-15を初めて観たのは昨年のクリスマス。昨年の大阪クラブユーストーナメント決勝戦で高槻mydを破りタイトルを獲得。夏の全日本クラブユース選手権ではグループリーグで強豪ジュビロを5-2で粉砕、初出場ながら全国ベスト16という好成績を残した。西U-15は、ピッチ上の選手だけでなくベンチの選手も含め全員で戦う素晴らしいチーム。出場機会は少なかったものの、ベンチからチームを鼓舞し続けた選手達が躍進の最大の功労者だったのではないかと改めて思う。
高円宮杯で更に上を、という願いは叶わなかったが、試合を訪れるたびに大きく成長した姿を見せ続けてくれた彼らは、セレッソ大阪というクラブに新たな風を吹き込んだ、かけがえのない存在だった。来年、U-18に上がる選手達にとって、選手間での競争はより一層激しいものになるとは思うが、その中でも更に成長する姿を見せ続けてほしい。また他の環境でサッカーを続ける選手達も、新しいステージでの活躍を願っているし、プリンスリーグやその他の大会で、成長した姿を目の当たりにすることを楽しみにしている。
また、このチームには、主力として活躍した2年生達がいる。来年は彼らが周りの選手を引っ張って、西U-15のサッカーをより素晴らしいものにしていってほしい。
一方、今年初めての全国大会となる津守U-15は、高円宮杯の舞台を精一杯愉しんでほしい。西U-15との試合内容を全国でも再現することができれば、関西で無敵を誇った昨年の津守U-15の結果を超えることも十分可能だろう。全国を相手にしても、君達は強い。自信を持って臨んでほしいと思う。
辛かった直接対決。しかしこの対決は、セレッソ大阪に秘められた限りない可能性を垣間見ることのできた一戦であったように思う。