数学者の言葉では

数学者の言葉では/藤原正彦/新潮文庫
『・・・基礎文献というのは、まず例外なく一流学者の書いた大論文であり、そんなものばかり読んでいれば、たいていの人は自信を喪失する。理解をするだけで精一杯の自分が、どうしてそんな論文に拮抗するようなものを書けるだろうか。果たして自分は、本当に学問を発展させる力になり得るのだろうか。こんなときに限って、他人の研究が自分よりずっと順調に進んでいるように見える。そして劣等感のとりこになるのである。』
『"Being a graduate student is such a lonely business."(大学院生であることは、とても寂しいことだ)』